お題はホールカットの型紙です。パーツ点数が少ないので、釣り込み時に木型の曲面に沿わすのが難しいと言われています。小笠原社長の理論をベースに根岸さんのアイデアをミックスした型紙製作の講義でしが、その発想力に皆感動していました。
小笠原社長はほぼ独学で型紙の技術を習得し、あらゆるデザインもいとも簡単に作ってしまう所は長年の経験があってこそ、私なんて鼻くそみたいなもんです。少し落ち着いたらちょっと変わったホールカットを作ってみたいと思います。
勉強会をしている中、1階で職人さん達が作業をしていました。私が勝手に尊敬しております小笠原の底付職人である奥山さん。若い頃は色々な有名手製靴メーカーを渡り歩き、そこで一番を取ったら次の靴メーカーに行き又一番を取る。自分の腕を信じ、常に向上心を持って生きぬく姿がとても憧れます。
「靴作りはココ(魂)が大事だ」と手を胸にあてて私に教えてくれました。今の靴業界、安い工賃のさなか家族を養い生活の為には数をあげなければならないのが現状です。そういった中、このような熱い言葉をかけてくれた職人さんは奥山さんだけでした。
高齢化と時代の波により手製で作れる真の職人さんはごくわずかしかおりません。今後、私は仲間と共にこの素晴らしい真の技術を習得し技術向上を目指し皆さんに伝えて行きたいと思います。向上心のある仲間や筋金入りの職人さんに出会えて私はとてもラッキーです。