
愛情溢れる2人について、少しだけお話できればと思います。
私の目から見た 生前の父母は常に何かと戦っている夫婦でした。
故郷を離れ、共に、子供たちを育てるため、身を粉にして働いている姿が今でも目に焼き付いております。
父は板金屋、母は父の手伝いで屋根トタンの加工や、下着の販売、叔母さんの喫茶店のアルバイト、カメラケースの内職など、身体が壊れるまで一生懸命に働いてくれました。
それもこれも家族の為、子供たちには 惨めな思いをさせたくない。
ナニクソの思いで、共に生きてきたのでしょう。
そんな厳しい生活の中でも、私たち兄弟に愛情を注ぎ、笑顔の絶えない暖かい家庭を築いてくれました。
時には後藤家名物の ”馬鹿といえば馬鹿馬鹿” と怒鳴りあったり、カラオケで
【東京ナイトクラブ】や【だんな様】を仲良く歌ったり、お誕生日会したり、互いにシップを貼って笑いあったり。
2人はともとても仲良しでした。
母の病が悪くなるにつれ、夫婦の生活環境も変わりました。
料理や洗濯など 家事を一切やった事のない父が、朝おきると冷凍野菜をチンしてパンとコーヒーを準備。洗濯機を回して洗濯物を干すという日々でした。
月2回の通院。母の輸血で昼の12時から夜7時近くまで あなたは病院にいてくれましたね。
オカアが寂しがるからここにいると、輸血している母の近くの席に 週刊誌を読みながらずっとあなたは待っていましたね。
病気で弱気になっている母が、“お父さん私死んじゃうのかなぁ”て、父は“バカそんなこと言うんじゃねー”って言い返すのですが…。
その姿を想像するだけでも、胸が苦しくなります。
耳も遠くなり、身体の自由もきかなくなり、やせ細っていく オカアを最後まで看取ってくれた オトウに オカアは一番感謝していると思うよ。
オトウも、オカアに、”長男の嫁としてよく頑張った”って、そう言ってたよ。
●ヨシナリ〜、ナル〜、ユッカ〜、ショウイチ!
オカアが いつも口癖のように そう言ってましたね。
●ヨシナリは 私 の言っていることが分かってるのかあ? わかってるよね。
●ヨシナリ〜オトウ来たぞ〜、でっけぇ目あけて〜
●オカアは今日 ナルにお風呂に入れてもらって気持ちよかったよ♪
●ナルの作った飯はうまいなぁ〜
●しっかり者のユッカがいてくれて安心だよ。
●ユッカ、今度いつ来るの? オトウ待ってるよ。
2人の言葉がいつまでも耳から離れません。
オカア、もう痛まないですむよ。オトウが一緒だから安心だな!
駆け落ちしてまで一緒になりかかった夫婦だから 最後まで一緒で良かったな!
そっちでも2人仲良く喧嘩して、シップを貼りあって下さい。
2りとも良き父母で、最高な夫婦でした。
RIP