(ハンドソーンウエルテッド製法による中底)
今回は各製法による中底の特徴を説明したいと思います。まずはホワイトクラウドが採用しているハンドソーンウエルテッド製法ですが、高級メゾンで使われている柔軟で且つ目の締まった5mm厚の中底を選択し、アッパー(表革)、ライニング(裏革)、ウエルトを糸で縫い合わせる為に中底自体に包丁で溝(リブ)を形成させます。溝の高さは約1.5mm、この空間を埋めるべくコルクを詰めます。この1.5mmの高さが靴の重さを左右するハンドソーンならではの重要なファクターで、このリブ高では機械による掬い縫いは現時点では不可能。
又、中底自体がユーザーの足型をコピーする為、オールソールの修理でコルクを新たに詰めても履き心地にはほぼ影響は無く、手縫いなので修理によるダメージが最小限に抑える事ができ半永久的に足に馴染んだ中底を温存できます。
ハンドソーンは手間がかかり高コストにはなりますが、末永く履けるという事を考えるとトータルバランスは大変優れている製法です。
画像の中底はホワイトクラウド独自の底付け製法による重いビブラム底に耐えれるようにある工夫をしております。
(グッドイヤーウエルテッド製法による中底)
次に機械式のグッドイヤーウエルテッド製法、布製リブテープ(高さ約3mm)を中底(約3.5mm厚)に接着させ、掬い縫いのマシンでアッパー、ライニング、ウエルトを一気に縫い合わせ、リブの空間をコルクや樹脂スポンジなどのクッション材で埋めるというハンドソーンウエルテッド製法を基に考案された製法です。機械によりコストを抑えられ生産性も飛躍的に向上し修理も可能。
巷では修理が何度も・・・と言われておりますが、ハンドソーンとは違い布製リブテープを接着しているだけなので、経験上リウェルトを含むオールソールの修理は2〜3回が限度と思われます。
しかしながら他の機械式製法に比べ剛性も高く耐久性も優れているのは間違いないと思います。
(ステッチダウン製法による中底)
ステッチダウン製法は特に中底の加工はありませんが屈曲性に優れ、軽量かつシンプルな構造ゆえ生産性やコスト的にも大変優れております。又、アッパーを外側に向け本底と縫い合わせている為、雨の進入も抑えられるという利点もございます。
(WHITE'S BOOTS社の中底)
因みにホワイツ「WHITE'S BOOTS」の中底は手製のウエスタンブーツに見られる加工方法とほぼ同じで、ステッチダウンとハンドソーンの良い部分を取り入れた構造です。恐らくホワイツ独自の細革(アッパーと同素材)はステッチダウンの屈曲性を生かし、掬い縫いの糸を覆う構造故に防水性にも貢献していると推測されます。
中底は加工次第で靴のフォルムも大きく左右し、足裏に直接触れる部分でもあるので柔軟でありながら耐久性も求められるので良質な革の選択と高い加工技術が必要とされる重要なパーツである事がご理解頂ければ幸いです。